経営学科2年生・基礎ゼミナール2(プレ専門ゼミナール)後半実施報告

基礎ゼミナール2(後半)(見目ゼミナール)
 2年次秋学期の科目『基礎ゼミナール2』はプレ専門ゼミナールとして実施しています。3年次に行われる専門ゼミナール配属の前に、より多くの専門分野に触れる機会とするため、試験期間を含む16週を前後半(8回)に分けて、各自興味のあるゼミを選択できるようにしています。

 秋学期の後半は4人の教員によるゼミナールが開講され、各教員から与えられたテーマに取り組みました。

 本科目で各専門分野の概要に触れた経営学科2年生たちは、3月には専門ゼミナールを選択し、4月からはそれぞれの分野について専門性の高い内容を学修していきます。


見目ゼミナール

 見目ゼミナールでは、エネルギー・環境問題に対応するための「持続可能な社会の構築」をテーマとして、エネルギー需給に関する基本知識を学ぶとともに、身近な題材について発表や議論を行い、その内容について理解を深めていきました。

 まず、持続可能な社会構築のために検討すべき課題として重要なCO2排出量の削減について、どのような方策があるのかについて、各自で様々な取り組みを調べて発表しました。その内容を発展させるために、日本のエネルギー需給と家庭におけるエネルギー消費削減の重要性を説明し、各自が家庭で取り組むことができる化石エネルギー消費量の抑制策を考えて発表しました。

 後半は原子力発電の再稼働問題を取り上げ、ディベートを行いました。まず、この問題について賛成・反対の両方の新聞記事を熟読して、論点の整理を行いました。その後、再稼働賛成派と反対派が混在する形でチーム分けを行い、各チームで議論の戦略を立ててディベートを行いました。議論を通して、原子力発電の再稼働の是非だけではなく、自分の意見を論理的に説明する難しさや、そのために何が必要なのかを考えました。

 最終回には、各自が最も興味を持ったトピックスについてまとめ、発表を行いました。企業の環境問題への取組や、住宅のリフォームによる省エネルギー、地球温暖化問題の真偽、原子力発電再稼働の利点・現状など、様々なトピックについて各自の意見が発表されました。

 このように、基礎ゼミナールでは発表や議論に積極的に取り組むことで、「持続可能な社会」について考えるとともに、今後必要となる論理的な思考、情報の整理、ならびにプレゼンテーションについて学びました。


高木ゼミナール

 本ゼミナールでは「経営戦略」をテーマとして、(1)経営戦略に関する文献の読み込み、(2)その文献に関するレポートの発表を行いました。(1)経営戦略の文献では、具体的事例として、スポーツ用品などの身近な話題が取り上げられています。その文献をもとに設定された課題を解き、ディスカッションを通じて文献に対する理解を深めました。

 (2)レポートの発表では、それぞれ発表者の意見に対して質疑応答を行いました。通常の講義では質問する機会が少ないため、今回のゼミでは質問の仕方も学習しました。文献の読み込みとレポートの発表を通じて、経営戦略への関心が一段と高まりました。


山口ゼミナール

 山口ゼミナールは「アンケート結果分析による事業改善法」と題して、データ分析の一連の流れを体験しながら、「客観的・定量的」な分析法について学習しました。具体的には、ある研修講座の参加者に対して「講座改善のためのアンケート」を実施したと想定し、回答データに対する集計や分析を行いました。次の3つについて、Excelおよびその分析ツールを使用して実習を行いました。

  • データ表の作成、集計、グラフの作成
    全体の姿や傾向を視覚的に掴む
  • 相関分析(相関係数、無相関の検定)
    アンケート項目間の関係性を把握する
  • ポートフォリオ分析(重回帰分析)
    講座満足度への影響度合いが強い項目(重点改善項目)を抽出する

 実習結果および考察事項をポスター(PowerPoint使用)にまとめるとともに、相互にポスターを評価しました。自分にない視点の考察を見つけるなど、気づく部分が多かったようです。最後に、すべてをまとめた報告書の作成を行いました。

 本ゼミで学んだことについて、将来のデータ分析やプレゼンテーション・報告書作成に役立てられることを期待します。


若原ゼミナール

 基礎ゼミナール2(会計)では、『実社会において会計情報が果たしている役割を理解する』をテーマとして、必修科目として学習してきた「簿記入門」及び「会計学入門」の内容(企業の財政状態や経営成績を明らかにする財務諸表に関する学習)が、実社会でも広く活用されていることを履修者の皆さんに認識していただきました。

 具体的には、上述の必修科目の知識をふまえ、日本の制度会計や企業内容等開示制度(主に有価証券報告書)の基礎知識を学ぶとともに、私たちの生活に身近な存在となっている業界(主に製菓業界)を取り上げ、業界内のトップ企業等の有価証券報告書から読み取れる財務状況や経営戦略等についての議論・発表を通して、実社会における開示情報の有用性について理解を深めていきました。

 まず、製菓業界を取り巻く環境(懸念される課題、明るい話題)を把握するとともに、その環境下において業界トップの企業はどのような強み・弱みがあるのかについて、SWOT分析を用いて分析しました。そして、業界トップ企業の有価証券報告書に記載されている財務諸表の数値を用いて、財務状況や経営戦略等についてディスカッションを重ね、各チーム内で分析・発表を行いました。終盤には、各自で業界トップ企業の財務諸表分析(収益性、安全性、成長性など)を行い、業界トップ企業の特徴についての資料をPowerPoint(パワーポイント)にまとめ、全員の前で5分間のプレゼンテーション及び質疑応答を行いました。このプレゼンテーションを通じて、聴き手に伝わる資料作成の難しさや、発表方法(話し方や声の出し方)の難しさを体験していただき、どのような点を改善すればより良いプレゼンテーションになったのかについて、各自で振り返っていただきました。

 このように、基礎ゼミナール2(会計)では、仲間とのディスカッション・発表を通じて、視野を広く思考を深くする大切さを学びながら、「実社会において会計情報が果たしている役割」について深く考えるとともに、実社会で求められる論理的思考力の重要性やプレゼンテーション技法について学びました。


 基礎ゼミナール2・前半の8回については、次のページに概要を紹介しています。

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