経営学科2年生・基礎ゼミナール2(プレ専門ゼミナール)前半実施報告
秋学期の前半は5人の教員によるゼミナールが開講され、各教員から与えられたテーマに取り組みました。
見目ゼミナール
見目ゼミナールでは、「持続可能な社会の構築」をテーマに身近なエネルギー・環境問題を題材にして発表や議論を行い、「自分たちに何ができるのか、何をすべきか」を考えました。
まず、持続可能な社会構築のために検討すべき課題として重要なCO2排出量の削減について、どのような方策があるのかについて、前半は各自で様々な取り組みを調べて発表しました。後半は原子力発電の再稼働問題を取り上げ、参考資料を基に論点を整理し、議論を行いました。この議論を通して、自分の意見を論理的に説明する難しさを実感するとともに、正当性を主張するためにどのような根拠を示すべきかを改めて考えました。
最終回には、各自が最も興味を持ったトピックスについてまとめて発表を行いました。今年度は日本政府の「温室効果ガス、2050年実質ゼロ宣言」の影響もあり、温室効果ガス削減の必要性やそのための方策(原理力発電の利用の是非、再生可能エネルギーの利用促進、水素利用の促進)についての発表が多くみられました。また、大手企業のESG経営やプラスチック(ペットボトル)の利用の在り方に関する発表もありました。
このように、基礎ゼミナールでは発表や議論に積極的に取り組むことで、「持続可能な社会」について考えるとともに、今後必要となる論理的な思考、情報の整理、ならびにプレゼンテーションについて学びました。
髙木ゼミナール
本ゼミナールでは「経営戦略」をテーマとして、⑴経営戦略に関する文献の読み込み、⑵その文献に関するレポートの発表を行いました。⑴文献の読み込みでは、設定された課題を解き、ディスカッションを通じて文献に対する理解を確認しました。今年度は、Google Classroomを活用して、課題に取り組みました。それによって、課題への回答時間が短縮され、ディスカッションの時間を長くすることができました。
⑵レポートの発表では、それぞれ発表者の意見に対して質疑応答を行いました。ゼミ生がお互いのレポートを参照することによって改善点を共有しました。ゼミ生は、文献の読み込みとレポートの発表を通じて、経営戦略論に対する理解を深めることができました。
今井ゼミナール
今井ゼミでは、プログラミングの基礎として、センシングとコントロールを題材にプログラミング実習を行いました。学生プロジェクトで利用している初心者向けのビジュアルプログラミング環境BlocklyduinoとArduinoと呼ばれるマイコン実習、MakecodeとMicro:bitを用いたセンサーカー、卒論につながるWi-FiマイコンとIoT等の実習です。
具体的には、基礎編として、①入出力の基礎としてのRGB LEDによる色コントロールや繰り返し処理、②明るさセンサ+シリアルモニタ、③超音波センサとモータを用いたMicro:bitカーによる障害物回避、④赤外線センサを使ったライントレーサの実習をして貰いました。
応用編として、テキストベースでの実習もいくつかやって貰いました。⑤IoTの例題の温湿度センサーとWi-Fiモジュールを用いたデータ送信テストとサイト側受信(グラフ化)、⑥LINE送信テスト等も体験して貰いました。
短期間でしたので、基礎編、応用編ともに実機を用いた概略の理解と体験をテーマとしたものにしました。実物システムの概略を理解し体験することにより、さらに必要なあるいは不足している知識は何であるかを感じ、今後の自主的な学修の決定の助けになればと考えています。
三輪ゼミナール
ビジュアルデザインをテーマとした三輪ゼミでは、『色の心理的効果と視認性』について理解を深める目的で、“架空の病院”の看板をデザインしました。
まず、ゼミ生全員で手分けして街にある病院看板の写真を撮影・収集しました。その後、グループワークを通して
- 色,配色
- 書体
- デザイン上の特徴
等を整理、意見交換することで“病院らしさ”と“看板特有のデザイン”について分析しました(新型コロナ感染症対策のため、対面での話し合いを避け、Google のスプレッドシートを共同編集する形でグループワークを実施しました)。
さらに、色彩心理について調査することで、病院看板に使われやすい色について理解を深めました。
その後、看板の重要な要件のひとつである“視認性=(パッと見たときの)認識のしやすさ”を実現するためのデザイン上の工夫について各自で調査し、その結果を実証するために“病院看板のデザイン”を行いました。
最後の授業では、自分の作品についてPowerPointを用いて、
- 作品のコンセプト
- 視認性を高めるための工夫
等についてプレゼンテーションを行うと共に、作品や発表内容について評価シートに記入することで相互評価を行いました。
短い期間でしたが、①情報の収集、整理、分析、②議論、考察、③調査に基づいた制作、検証、④プレゼンテーション、等のゼミならではの学修ができました。また、ビジュアルデザインに関する基礎的な知識の理解が深まったと考えています。
若原ゼミナール
基礎ゼミナール2(会計)では、『実社会において会計情報が果たしている役割を理解する』をテーマとして、必修科目として学習してきた「簿記入門」及び「会計学入門」の内容(企業の財政状態や経営成績を明らかにする財務諸表に関する学習)が、実社会でも広く活用されていることを履修者の皆さんに認識していただきました。
具体的には、上述の必修科目の知識をふまえ、日本の制度会計や企業内容等開示制度(主に有価証券報告書)の基礎知識を学ぶとともに、私たちの生活に身近な存在となっている業界(主に製菓業界)を取り上げ、業界内のトップ企業等の有価証券報告書から読み取れる財務状況や経営戦略等についての議論・発表を通して、実社会における開示情報の有用性について理解を深めていきました。
まず、製菓業界を取り巻く環境(懸念される課題、明るい話題)を把握するとともに、その環境下において業界トップの企業はどのような強み・弱みがあるのかについて、SWOT分析を用いて分析しました。そして、業界トップ企業の有価証券報告書に記載されている財務諸表の数値を用いて、財務状況や経営戦略等についてディスカッションを重ね、各チーム内で分析・発表を行いました。
終盤には、各自で業界トップ企業における財務諸表分析(収益性、安全性、成長性など)を行い、業界トップ企業の特徴についての資料をPowerPoint(パワーポイント)にまとめました。そして、最終回では、各自、全員の前で約5分間のプレゼンテーション及び質疑応答を行いました。このプレゼンテーションを通じて、聴き手に伝わる資料作成の難しさや、発表方法(話し方や声の出し方)の難しさを体験していただき、どのような点を改善すればより良いプレゼンテーションになったのかについて、各自で振り返っていただきました。
このように、基礎ゼミナール2(会計)では、仲間とのディスカッション・発表を通じて、視野を広く思考を深くする大切さを学びながら、「実社会において会計情報が果たしている役割」について深く考えるとともに、実社会で求められる論理的思考力の重要性やプレゼンテーション技法について学びました。