経営学科・早瀬光浩 准教授 HAIシンポジウム2021で受賞
本学科の早瀬光浩 准教授が,3月9・10日に開催されたHAIシンポジウム2021で発表した共著の論文「ロボットへの名付けが愛着と支援受容性の関係に与える効果」が評価され共同受賞しました.
HAI(Human-Agent Interaction)とは,「人間」と「エージェント(知能をもったロボットや仮想のキャラクタなど)」との「インタラクション」を対象とした研究領域で,HAIシンポジウムではこの領域に関する研究発表が行われます.
早瀬准教授は,自動車の運転を自宅でロボットと共に振り返るシステムの開発に共同研究で取り組んでいます.本研究は,運転を振り返るロボットに対して名前をつけることで,ロボットからのアドバイスに対して受け入れ度合いが変化するのかを調査しました.調査は,被験者を名付けなし群,名付けのみ群,名前アピール群に分けて名付けの効果を比較しました†.調査方法は,ロボットを同乗させて運転し(図1),運転後にロボットと一緒に運転の振り返りを行います.
調査の結果,名付けなし群,名付けのみ群,名前アピール群の順に「愛着」と「支援受容性」の相関関係が小さくなりました(図2および表).このことから,ロボットへの名付けという行為によって,被験者はロボットに対して「ロボット」ではなく「運転指導員」や「身近な人物(夫や妻,子供,孫,友人など)」としての印象を持った可能性があります.
†名付けなし群では,被験者はロボットに名前を付けません.名付けのみ群では,被験者はロボットに名前を付けますが,その後,付けた名前を用いることはないです.名前アピール群では,ロボットは会話をするとき,被験者に付けられた名前を一人称として用いて発話します.
- 受賞名
- 学生奨励賞(Student Encouragement Award)※筆頭発表者が学生
- 研究題目
- 「ロボットへの名付けが愛着と支援受容性の関係に与える効果」
本賞は,学術の向上に貢献する優秀な研究発表で,かつ今後の一層の活躍を期待できる研究に対して授与される奨励賞です.