送る言葉

平成30年3月20日
経営学部長 佐藤 勝尚

 御卒業おめでとう。このよき門出を迎えられますことを我々教職員一同とともにお祝いを申し上げます。

 今、21世紀のデジタル時代に入り若者のあり方が大きく変わりつつあります。これまで以上に多くの若者が頭角を現しめざましく社会で活躍を始めています。まるで春の季節にふきのとうが芽吹き、柳の枝に緑が見え出し、連翹の黄色い花が咲いて春たけなわになるように、若者の季節が膨らみ始めたようです。この新しい若者の季節に何をするべきでしょうか。多くの教育哲学者は「教育を受ける人は充実した人生を送ることができ、日々の生活の糧を手に入れる手段を獲得する」と言っていますが、今の知識社会での教育を受ける意味は役に立つ技術と知識、さらに「徳性を身につけなければならない」と思います。特にこの「徳性」が重要です。徳というと何か古いと思われるかもしれませんが、まったくそうではありません。この徳とは「人間としてのあり方」を美しく自然にするものです。すなわち、徳性は、人間たる本質、人格としての人間たる本質というべきものです。心の明るさ、それから清さ、助ける、人に尽くす、恩を知る、恩に報いる、正直、勇気、忍耐など、こういう貴い心の働きです。

 たとえば、お辞儀をするという日常的な所作の中にも徳性があることになります。相手への敬意が体に表されていればこそ、良い印象を与えることができるのです。もともと、お辞儀という言葉は「そのときの状況にかなった、ふさわしいやりかたを表す‘時宜(じぎ)」のことを言いますが美しい所作は徳性に通じることになります。何々流といういくつもの礼法の流派がありますが、これらの作法にしたがっての立ち居振る舞いをすることが誤りのない自然の所作なのです。

 豊橋創造大学の経営母体である藤ノ花学園では、このような徳育を、「誠をもって勤倹譲を行え」として教育を実践していますが、これからの時代にますます求められるべきものである考えます。藤ノ花学園のよき伝統と現代の新しい知識、知見に磨きをかけることをお願いしまして、送る言葉といたします。

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