地図を重ねると、昔の豊橋が見えてくる ―藤ノ花女子高等学校の生徒がGIS入門授業を体験―

 7月29日(水)、豊橋創造大学経営学部のプロジェクト実習と藤ノ花女子高等学校特進コース1年生による高大連携プログラムの一環として、GIS(地理情報システム)の入門授業を実施しました。

 大学が期末試験期間中で、学生たちは試験勉強や課題提出に追われているため、今回は担当教員による講義とPCを用いた実習を行いました。実習では、機能性の高いフリーソフトとして知られている「QGIS」を使用しました。

 講義では、まず、GIS(地理情報システム)とは、場所に関するさまざまな情報を電子地図上で重ね、整理・分析する仕組みであることを紹介しました。地形や道路、建物、河川、人口などを別々の「レイヤー」として扱い、必要な情報を組み合わせることで、地域の特徴や課題を読み取れることを、防災やマーケティングなどの事例を交えながら解説しました。
 また、高校の必修科目である「地理総合」において、地図やGISを用いて情報を収集・整理し、地域について考察する力が求められていることに触れ、豊橋市街の旧吉田城下町を例に、古い地図に記録された情報をGISでデータ化し、現在の市街地と重ねることで、失われた街並みや、現在まで残る道路・街区を視覚的に捉えられることを説明しました。

 後半の実習では、GoogleMapsや国土地理院の標準地図などのベースマップを読み込んだうえで、複数のレイヤーを重ねたり、表示・非表示を切り替えたりしながら、GISの基本的な仕組みを体験しました。続いて、昭和初期の豊橋市街を記録した地図データを現在の地図に重ね、道路や街区の位置を比較しました。さらに、大学生が授業のなかで作成した吉田城下町の復原データを読み込み、土地の種類や町名などの属性情報に応じて色分けしたり、建物の名前や地番をラベルとして表示したりしました。生徒たちは、同じ地理データでも表示方法を変えることで、地図から読み取れる情報が変化することを体感しました。

図1-1 昭和初期と現在の豊橋を比較

図1-2 昭和初期と現在の豊橋を比較

 今回の実習では、GISの操作方法を覚えることだけを目的とせず、「昭和の初めと現在の豊橋を重ねると、何が残り、何が変わったのか」という問いを設定しました。生徒たちは、画面上の新旧の地図を見比べながら、現在まで残る道路や、大きく形を変えた街区を探し、発見したことを自分の言葉でまとめました。また、授業の最後には、GISとはどのような仕組みなのか、歴史以外のどのような分野に活用できるのかについても考えました。以下、寄せられたコメントをいくつか紹介します。

図3 学んだことを自分の言葉で表現

  • 「現在と昔を比べた際、自分の家が(1970年代前半の空中写真では)まっさらな畑ということが分かってとても驚きました。今回の授業を通して街は長い年月をかけて変化していくものだと分かり、100年後にはどうなっているのか気になりました」
  • 「外国人の方々に歴史について紹介する機会があったときに使用したい」
  • 「GISではこんなことやあんなこともできる!と頭がパンクしそうなくらい教えてもらった」
  • 「自分が住んでいる土地は埋め立て地だと小学校で習ったので、さらに昔の地図を見てみたいです」
  • 「初めてGISを使用して思ったことは、昔と今の景観を比べることができたり、色を使い分けてわかりやすくすることができて便利だなと思いました。GISを使えるようになり、将来に役立てたいです」

 7月11日のフィールドワークでは、大学生が作成した地図データをスマートフォンで表示しながら、吉田城跡と旧城下町を歩きました。今回はその経験を踏まえ、自身でGISを操作し、地域の変化を分析・考察しました。今回の授業は、2学期以降に予定しているデータ作成に向けた導入でもあります。今後も大学と高校が連携し、豊橋の歴史・地形・景観を、デジタル技術と現地での体験双方から学ぶ取り組みを進めていきます。


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