市民大学トラム 第1回「デジタル化とマーケティング変革 ~オンライン/オフラインの融合~」の開催

市民大学トラム 第1回「デジタル化とマーケティング変革 ~オンライン/オフラインの融合~」

 2021年6月5日(土)、本学と豊橋市教育委員会の連携講座「市民大学トラム『変革するビジネス社会を生き抜くために ~マーケティング・企業経営からAIまで~』」のシリーズ第1回が開催されました。
 コロナ渦であり、愛知県も緊急事態宣言が発出されている中での実施のため、大学会場は無観客、遠隔会場の大清水まなび交流館「ミナクル」でのオンライン開催となりました。オンラインでの実施でありながら多くの方に参加していただきました。

 第1回は、本学 経営学部 経営学科の原木 英一 講師より、「デジタル化とマーケティング変革 ~オンライン/オフラインの融合~」と題して、マーケティングの本質から消費者行動の変容を説明していただき、また様々な事例を紹介していただきました。

<講演概要>

 マーケティングとは「誰に、何を、どのように販売するか」にかかわる諸活動と定義されます。消費者を起点として事業活動を計画・実行・コントロールするのが、マーケティングとなり、ビジネスで成功を収めるためには、消費者から見て他社と異なるポジションを築く必要があります。

 近年、インターネットやスマートフォンの利用が増え、消費者の行動もネットで調べて店舗で確認・購入したり、逆に店舗で確認したものをオンラインショップで購入したりと多様化してきました。先進的な企業はそうしたオンラインとオフラインを行き来する消費者の行動をきちんと捉えるために、自社でアプリを開発しています。これまでも購入時点のデータは自社発行のクレジットカードやポイントカードでできましたが、オンラインショップの閲覧履歴や店舗へのチェックイン機能等から購入前の行動を、商品レビューやSNSへの書き込みから購買後の満足度等を補足することができるようになります。

 その際、重要になるのはデータを収集した顧客それぞれに対して自社の商品・サービスを通じて新しい価値を創り、顧客とのつながりを構築・維持・発展させていくことです。こうした取り組みが他社との差別化のポイントとなるのです。

オープニング

4つのPについて

KPIとは

KPIツリーの説明

<会場から出た質問と回答の一部>

 多数の質問を頂きました。以下に会場から出た質問と回答の一部をご紹介します。

Q: 豊橋の企業が実践するにはどうしたら良いか。
A: アプリ開発をする余力のある大きな企業はアプリ開発を行って、実際にデータを収集しつつ、顧客のニーズに応えていくことが重要になると思います。また、特に零細企業については、アプリ開発を行っても投資回収できる事業規模でないことが予想されます。その場合には原点に立ち返って、地域に密着することで、他社との差別化を図るべきだと思います。元々、顔の見える範囲で商売をされている事業者が多いと思いますので、その顧客に向き合って抱えている課題を解決していくことが重要です。

Q: 今回のテーマを踏まえて、今後どのようなビジネスモデルが良いか。
A: これからの企業間競争は情報が重要な役割を果たします。GoogleやAppleのようなプラットフォームを形成し、情報が集約されていく企業が圧倒的に強いと思います。ただし、それらの企業だけで消費者全てのニーズが解決できるようになるわけではないので、プラットフォーマーが手がけないような領域では依然として従来のように同じ産業での競争が繰り広げられることになります。その中で如何に情報を収集することができるかが鍵になると思われます。

会場との質疑の様子

講師より一言

 「新型コロナウイルス感染症の影響で従来予想よりも早くデジタル化が進展しています。自社のマーケティング戦略に取り入れないという意思決定をするにしても、最新の事例や動向を踏まえてどのように戦っていくかは非常に重要です。今回の内容が皆様の事業活動の一助となっていれば幸甚です。」


 次回は、6月19日(土)「デジタル時代の経営戦略とその事例」(経営学科 鈴木 宏幸 教授)です。次回も大清水まなび交流館「ミナクル」でのオンラインの予定です。

申し込み:http://www.sozo.ac.jp/exchange/tram_current_year

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