社会的企業の実証研究

社会的企業の実証研究

 社会的企業は、企業家的戦略に基づく私的活動だが、利益の最大化ではなく経済的・社会的目標の達成を目的に据える。

 その活動は、ネオリベラル(新自由主義的)構造改革(例えば小泉政権)が、小さい政府と福祉国家の危機をもたらしたことも背景に注目を集めてきた。営利企業は、全ての社会的に必要な製品やサービスを、適切な価格で供給し切れないからである(市場の失敗)。

 このプロジェクトでは、東三河地域における社会的企業から、2活動を取り上げ、その社会性や事業性、革新性を考察した。主目的は、学生が、社会科学の実証研究の方法を学ぶことにある。

 サーラコーポレーションと関連企業の社会貢献事業から、メンバーは廃油のバイオディーゼル燃料(Bio Diesel Fuel, BDF)への再生リサイクルを選択した。この事業は、1997年の京都議定書に起源をもつが、ここでは、“カーボン・ニュートラル”な(二酸化炭素を増やさない)燃料の開発が、今事業年度での黒字化を目標に、行政に先行する形で行われている。

 東三河障がい者仕事センター(WACNET)は、“ニューヨーク・ファウンテンハウス”をモデルに発達・精神障害者の自立・就業支援を行っている。誰でも来ることができる、誰からも必要とされる人間関係を築くことができるなどをモットーに、働く意志を尊重した、多様な自立支援プログラムを提供している。 ここには、地域の未来を切り開く活動がある。次年度からは、「社会的企業の比較研究」プロジェクトとして継続する予定。


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