市民大学トラム 第2回「デジタル時代の経営戦略とその事例」の開催
2021年6月19日(土)、本学と豊橋市教育委員会の連携講座「市民大学トラム『変革するビジネス社会を生き抜くために ~マーケティング・企業経営からAIまで~』」のシリーズ第2回が開催されました。
第1回に続き,第2回も大学会場は無観客、別会場の大清水まなび交流館「ミナクル」でのオンライン開催となりました。第2回もオンラインでの実施でありながら多くの方に参加していただきました。
第2回は、本学 経営学部 経営学科の鈴木 宏幸 教授より、「デジタル時代の経営戦略とその事例」と題して、近年の技術革新と産業の関係からビジネスシーンでのデジタル戦略を事例交えながら紹介していただき、さらに最新の経営戦略について説明していただきました。
<講演概要>
企業における経営戦略/事業戦略は、デジタル時代の本格到来によって、従来と大きく変わりつつある。今日の社会は、あらゆるものがデータでつながり、IoT・AI・ロボット・自動運転等の最新技術とビックデータ等の活用を伴った革新的な商品/サービスや新規事業が次々と生み出されつつある。
このことは、産業構造変化が加速し、産業の垣根がなくなりつつある中、企業は産業の垣根を超えて動的に機能する革新的な商品/サービスや新規事業に取り組むべきことを意味している。例えば、代表的なビジネススタイルを挙げると、プラットフォームビジネスやAPIエコノミーがある。これらは、デジタルならではのビジネススタイルである。具体的な企業事例を紹介すると、ブルドーザー等を生産販売していた「コマツ」という企業は、前述のさまざまなデジタル技術やビジネススタイルをフル活用して、産業の垣根を超えたデジタル新規事業を実現して、「モノ」をつくる製造業から「コト」を提供するサービス業に大きくシフトした。そして、このようなデジタル時代の反映で、経営理論においても、従来の成長戦略や競争戦略の理論を拡張する新しい経営理論が唱えられている。
<会場から出た質問と回答の一部>
会場からは多数の質問をいただきました。以下会場から出た質問と回答の一部をご紹介します。
Q.企業は3年後の中期計画や5年後の長期計画を立てても、環境変化が速いので経営計画を立てるのが難しくなってきていると思うが、どうしているのか?
A.中期計画を毎年、ローリングするようにして対応して企業が多く見られる。
Q.APIエコノミーのビジネスモデルの収益の仕組みとは?
A.API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)ビジネスは、自社のアプリを他社のアプリとつなげて、新たな付加価値サービスを提供するもので、APIの公開元の企業に自社のアプリをつなげたい企業が料金を支払って、仲介開発者が提供する仕組み。代表的な例は、Googleマップに飲食店のアプリがつながっているものなどがある。
講師より一言
「会場から本当にたくさんの質問をいただきました。改めて、デジタル時代における社会の変化や経営戦略/事業戦略の革新について、多くの方々が高い関心を持たれていることを再認識しました。」
次回は、7月3日(土)「長寿企業の条件」(経営学科 佐藤 勝尚 教授)です。次回は大学,大清水まなび交流館「ミナクル」の両会場での実施予定です。大清水まなび交流館「ミナクル」は遠隔会場となります。実施会場については,以下のリンクよりご確認ください。