講師
竹内伸一さん
Profile:1988年マツダ株式会社入社。販売促進、営業開発、販売会社教育などに従事し、13年後に退社。2004年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程を修了し、同年ケースメソッド教育研究所を設立、代表取締役。企業研修、大学FDへの出講など、多岐にわたって活躍中。現在、慶應義塾大学大学院特別研究講師も務める。
ところで、
「キャリア」って
何だ?
今年度の講義の総まとめとして、社会人教育の専門家である竹内さんをお招きし、キャリア形成そのものについてお話しいただきました。
そもそも「キャリア」って何でしょう。竹内さんは「仕事によってつくられる経歴」と定義します。キャリアは、その人が“どんな仕事をしてきたか”を表すだけでなく、“今後どんなことができそうか”を判断する材料にもなります。だからこそキャリアをきちんと築くことが大切なのです。
何かを始める。
始めたら続ける。
仕事をして築いたキャリアが、次のキャリアを拓く。そうして築いたキャリアがさらに次のキャリアを拓く……というように、キャリア形成は循環構造になっています。
「キャリアをつくるには、とにかく何かを始めなければなりません。そして、始めたらなるべく長く続けることが大切」と竹内さんは言います。「たとえ転職をするにしても、今までの仕事と何か関連のある仕事に就いた方がいい」とも。そのほうがキャリアにつながりができていくからです。
会社に入ろう!
キャリアをつくるには何から始めたらいいでしょうか。「まずは会社に入ることを勧めます」と竹内さん。会社はあなたのキャリア開発をサポートしてくれます。社員のキャリアアップが、会社の業績アップにつながるからです。会社によるキャリアサポート(人事管理)は、“能力の発見”→“能力の開発”→“能力の活用”→“処遇(評価・報酬・昇進)”の順をたどって、次なる“能力の発見”へつながっていきます。このサイクルを繰り返しながら、人はキャリアを築いていくのです。
2種類の働き方を知っておこう。
最後に、“2種類の働き方”について説明がありました。働き方Aは、先に仕事が決まっており、その仕事に会わせて人を採用するタイプ。専門職が求められる組織で、プロ野球チームなどはその典型です。働き方Bは、先に人を採用し、各人の適性に応じて仕事を作っていくタイプ。ジェネラリスト(万能型人間)が育つ組織で、新卒採用を重視する企業は主にこちらです。大学生になったら、自分にはどちらの働き方が合っているかを考え始めるといい、と竹内さんは言います。自分の適性は、クラブ活動やアルバイトを通じて、学生時代にもリハーサルすることができる、とのことでした。
自ら率先して仕事やイベントに参加して、自分のキャリア育成をするべきだと思う。人は一つの仕事だけに携わるなんてことはないと思うし、仕事を経験していく中でたくさんの出来事や人と触れ合っていくだろう。その中で自分のキャリアをどれだけ伸ばすかが大切だろう。(白柳 貴裕)
会社は社員のキャリア開発をサポートしてくれるものだと知って驚いた。私は、会社は個人のスキルアップにはあまり関わらないものだと思っていた。しかし「会社の業績アップにつながるから」と聴いて納得し、とてもいいことだと思った。(亀田 勇介)
会社は社員の良い所や発揮できる能力を知っています。会社に入ることにより、自分では気づけなかったことなどいろいろ教えてくれてよい経験になるので、自分の会社などを起業したい人でも一度は会社に入った方がいいと思いました。(小林 拓矢)
キャリアはこのようなサイクルを延々とまわり、長い年月をかけて構築していくもので、一朝一夕にできるものではない。今回の話を聞いて、キャリアとはただ仕事をしていれば身につくというものではなく、自分から動いて自分の魅力を発見してもらうことも大切であると思った。(川上 英樹)
働き方Aは、仕事ベースの組織。働き方Bは、人ベースの組織。自分は働き方Aになりたいと思っています。それは決められた仕事をきっちりとこなせるようになりたいからです。(鈴木 祟臣)
大学時代に社会人になるリハーサルができると言われました。社会人学生の私たちにも可能だと思いました。現在の一年生には数名の社会人学生がいます。一度社会を経験し大学に入学した同じ志を持った人たちとも会話ができれば、何か得られることがあるように思いました。(山田 まゆみ)
キャリア形成にはまず自分をよく知ることが必要なのだと気がつきました。中学・高校で学んだ知識に加え、現在大学で習っていることをしっかり活かしたキャリア形成を自分なりに行っていきたいです。(渡会 正明)
今までの先輩や先生方とは違った点からキャリアについて教えていただき、また少しキャリア形成について理解できたと思います。教えてもらったことを忘れないようにしながら、私なりにこれからのキャリアを形成していきたいと思います。(榎川 絢介)
やりたい仕事を見つけて、その仕事のプロフェッショナルになりたいと思いました。大学で、自分が何になりたいのかを決めて、将来しっかりとした仕事ができるようになりたいと思いました。今までの講義を聞いてよかったです。(新川 裕也)
仕事はつらいもので、すぐに嫌になってしまうだろうなという感じだったけど、みなさんの話を聞いて、自分もあのように生き生きと仕事をしたいなと思うことができた。就職したときに、くじけそうなときがあると思うので、今まで聞いた話を思い出して、頑張っていきたいと思った。(梅崎 真澄)