講師
小山 雄大さん
Profile:1978年東京生まれ。青山学院大学 経済学部出身。ファッションが大好きで、在学中はショップでのアルバイトに励む。2001年8月(株)ナイガイ入社。現在、レッグウェア事業部で婦人靴下のMDとして活躍中。いい商品を作るために「自分でも婦人靴下を履きます」という小山さんの信念は『なんでも思い切り、楽しむ!』。楽しくなきゃ働く意味がないと語る。
I am a
Sock man
ナイガイは、靴下・パンティストッキングなどのレッグウェアを専門に扱う老舗アパレル企業。小山さんは商品の企画から販売までの運営・管理を行う総責任者“MD(マーチャンダイザー)”として活躍中。講義冒頭では、新商品のプランを営業部隊にプレゼンテーションする“全店会議”の様子をご紹介いただきました。
トレンドは街に!
商品企画にあたっては、海外のブランドコレクションをチェックすることはもちろんですが、街へ出て人々のファッションを体感することが一番大切だと語る小山さん。洋服と靴の合わせ方や、色のコーディネートなど、自分が見て感じたことを、企画に詰め込んでいきます。また、お客様と直に接する販売員の方の意見を聞くことも重視しています。
仕事のおもしろさに気づいた3年目
お仕事について楽しそうに話す小山さんからは想像もつきませんが、入社3年目までは「仕事がおもしろくなかった」のだとか。そんなとき、「3週間後に1000足の靴下を納品して欲しい」と大至急の仕事依頼が舞い込みます。すでに工場の生産スケジュールは決まっているため、予定を変更して対応してもらわなければならない難しい依頼でした。しかし「おまえだから頼むんだ」――営業担当者の一言が小山さんに火をつけます。誰かに必要とされ、その期待に応えたいという気持ちが“やる気”につながったのです。
入社5年目の
大ピンチ
仕事も軌道に乗ってきたある日、ナイガイが扱うブランドの権利をもつアメリカの大企業への売上報告でミスをしてしまいます。賠償問題になりかねない大失敗に、“クビ”を覚悟。そんなピンチを聞きつけ、救いの手を差しのべたのは、入社当初の上司でした。相手先に事情を説明する英語の文書を「おまえの名前で送れ」と手渡され、ものすごく感動したと言う小山さん。さらにほかからの助けもあり、問題は無事解決。「周囲の助けがあって仕事は成り立つ。会社はチームだ」と、またひとつ大切な気づきを得ます。
これからの
職業人生
今後は、自分自身をひとつの商品として、付加価値を高めて売り込んでいきたいと言う小山さん。知識・感性・ルール・ネットーワークとともに、これらを運営していける能力を磨いていきたいと考えています。また、“次世代の育成”も新たな課題とされています。「自分もスキルアップできるし、経済活動を豊かにするために、他人の成長は不可欠」とのことでした。
消費者のニーズや、入荷する種類・量などを考え、生産工場と打ち合わせをする。靴下ひとつにおいても、本当に小さなことまで考えなければならないのだと気づきました。(金子 真也)
今回の講義は靴下業界の話だけでなく、流通業の説明がわかりやすかったです。製造業者から、卸売業者、小売業者、そして消費者へたどり着くまでの過程がはっきりとしました。(杉浦 隆文)
アパレル業界は華やかな世界という印象を持っていたが、地味な作業の積み重ねが売れる製品を作るのだと知りました。自分の力を会社のために使うことができれば、認められて実績が上がるのではないかと思いました。(大石 良太郎)
流通業の話では、もの(商品・お金)の流れ=経済活動の一つとして考えられることを知りました。また、“仕事においてどういうときにやる気がでるのだろうか”という疑問を持っていましたが、誰かに必要とされたときなのだと理解できました。(袴田 朋也)
この仕事は流行に敏感でないとできないと思いました。小山さんが日常生活の中で通行人などのファッションを見てデザインを考えていることに驚き、小山さんの仕事熱心さに憧れを抱きました。(小林 拓矢)
小山さんが担当しているMDの活動目的は、「売上高を伸ばし、利益を最大限に追究すること」だ。そのためには、仕入れる商品をいかに効率よく販売するかにかかっている。やはり会社の目的で一番重要なのは売上なのだと感じた。(神谷 政斗)
相手からの信用を壊すのは一瞬、築くのは大変と言っていたが、本当にそうだと思う。けれど、大きなミスをしてしまっても、真正面から受け止めてしっかり対応すれば信用を取り戻すことはできる。たとえミスをしても逃げないようにしたいと思った。(山田 知加)
僕もファッションにとても興味をもっているので、小山さんの話を聞けて良かったです。仕事を変えずに好きな仕事をやり続けているのがうらやましく、すごいなと思いました。(鈴木 順也)
会社で働き続けていれば、給料が上がったり昇格したりするだけじゃなく、それに伴って責任もついてくるのだと思った。一億円のミスをしたときは、今まで頑張っていたことで上司が救いの手を差しのべてくれた。頑張ることは本当に意味があるのだとわかった。(富永 啓太)
靴下がこんなにも奥が深いものとは知りませんでした。小山さんは「仕事だって楽しくなきゃ働く意味がない!」とおっしゃっていましたが、僕もそう思います。将来仕事に就くときは自分のやりたいこと、興味のあることをやりたいと思います。(中山 育哉)