第3講 金融機関の業務と役割 2008年10月23日
講師 豊橋信用金庫 夏目藤一郎さん

講師

豊橋信用金庫

夏目藤一郎さん


Profile:1971年豊橋生まれ。時習館高校から、「親元を離れたい一心で」明治大学法学部に進学。1995年卒業と同時に豊橋信用金庫に就職。現在は本店営業部で融資業務を担当。2002年から2年間、本学大学院に派遣され、仕事の傍ら会計学を学ぶ。今年で社会人14年目。妻と2歳の長男とともに暮らす37歳。

講義レポート

なぜ満員電車で
新聞を読むの?

豊橋に生まれ育った夏目さん、大学時代は東京でのひとり暮らしを満喫します。高校までは自転車通学だっただけに、下宿から電車で通学することさえ新鮮でした。車内では、超満員にもかかわらず器用に新聞を読むビジネスマンを奇妙に感じたことも。実は、新聞を読む時間さえままならない社会人の忙しさに、学生だった彼は気づかなかったのです。

地元豊橋へ
Uターン就職。

「東京は楽しいけれど、一生住み続ける場所ではない」と感じた当時の夏目さん。生まれ育った豊橋へのUターン就職を希望し、豊橋信用金庫に就職します。金融機関に対し、四角四面の硬いイメージを抱いていましたが、入ってみれば意外にアットホームな雰囲気。地域に密着した金融機関ならではの企業風土を実感しました。

銀行と
信用金庫の
違いとは。

金融機関の3大業務は「預金」「融資」「為替(振込・送金など)」であること、商品を作ったり売ったりしない金融機関がどのようにして儲けているのか、「銀行」と「信用金庫」の違いは何か、といった説明がありました。銀行とは違い、営業エリアが限定されている信用金庫は、地元で集めた資金を地元の人々に使ってもらう、いわば「お金の地産地消」を担っているのだそうです。

失敗もした。
うれしかった
ことも。

27歳のころの失敗談。経営状態がよくないA社への融資を担当したものの、信用保証協会(中小企業の“保証人”となる公的団体)に提出した資料が不十分だったため承諾してもらえず、融資がギリギリに。ついに資金不足でA社は倒産か!?――という寸前で融資は間に合ったのですが、大いに冷や汗をかいたそうです。一方で、若い起業家に開業資金を融資したところ、何年も後になって転勤先まで訪ねてくれたという、うれしい経験もありました。

自由な時間を
大切に。

かつて豊橋創造大学の大学院で会計学を学び、現在は本学エクステンション講座にも通いながら税理士資格に挑戦中。そんな夏目さんが学生時代を振り返って思うのは、「自由な時間がたくさんあった」ということ。満員電車で新聞を読むビジネスマンの気持ちが、今はわかります。「学生のうちに何かを見つけて、一日一日を大切に過ごしてほしい」というメッセージで講演を締めくくりました。

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受講生の声(抜粋・要約)

金融機関の詳しい業務内容については知らなかったので、今回の講義を聞いて、どんな仕事をしているのか詳しく知ることができたことは、将来の進路を考えるにあたりとても参考になりました。今回のことをしっかり復習し、銀行で働くということについてよく考えてみたいと思います。(長谷川 真也)

銀行員という職業は、自分の中では謎であふれていました。今回の講義は興味深いものでした。私は銀行員を希望しているわけではありませんが、将来企業を興すつもりでいます。やはり企業を興すのに銀行とのかかわりが必要だと考えます。(具志堅 ユキシゲ)

金融に興味を持っていたので話を聞いていて楽しかったです。僕たちがお金を預ける際に発生する利子など減る要素はたくさんあるのに、どのようにして利益を生み出しているのか不思議に思っていたけど、話を聞いてみて、貸し出した時の利息が利益になるのだとわかりました。(渡会 正明)

資格取得に励んでいる夏目さんを見習いたいと思います。社会人になっても、自己の向上は必要なのだと気付きました。入学したての頃に比べると講義を受けることに余裕ができた私ですが、手を抜きそうになるたびに初めて受けた時の気持ちを忘れずにいたいと思いました。(鈴木 三保子)

私は、仕事に就くということや仕事をするということについて、まだまだ甘い考えなのですが、そういった「仕事をする」ということを真剣に考えなければいけない時期なので、勉強やアルバイトなど、一日一日を大切にし、自分の中で何かやりたいことを見つけていけたらと今回の講義で感じました。(渡邉 萌子)

学生時代は時間があるから一日一日を大切にして何かを見つけてほしい、自分探しを、などとアドバイスしてくれた。とてもいいアドバイスだと思う。せっかくだから、今からでも自分探しをしていこうかと思っている。(王 斐)

自分はいま学生です。しかし「あと3年もある」と言ってしまいます。そうやって後悔してしまうことが多いと思います。なので、自分も大学1年生からいろいろとチャレンジして、失敗して、経験して、これからに生かせるような大学生活を送りたいと思います。(中西 希一)

大学では勉強することが仕事だと私は思うので、勉強にも力を入れていきたいと思う。そして夏目さんの話にもあった「やりたいことがあればやった方が良い」という言葉のとおり、今も音楽活動を続けているのでこの方向でも頑張っていきたい。(梅崎 真澄)

父親になったことで大きな変化があったそうです。それは「子供の寝顔を見て親が育つ」「親ばかになった」だそうです。子供を持つ親はみんなそうなのかもしれないし、もしかすると、私の親もそうだったのかもしれません。(三浦 洋平)

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