第4講 広告の仕事 2007年11月1日
講師 廣告社株式会社 山岸義郎さん

講師

廣告社株式会社

山岸義郎さん


Profile:1981年東京生まれ。本が好きで「本を読むことが勉強につながるなら」と思い、駒澤大学文学部国文学科に進学。村上春樹を研究する。2005年4月、廣告社に入社。右も左もわからない名古屋が勤務地となる。現在、名古屋支社教育営業部に在籍。大学をはじめ、学校関係の広告営業を担当している。

講義レポート

広告で
大切なのは
アイデアだ。

心に残っている広告は、学生時代に出会ったマヨネーズの広告だったという山岸さん。その広告は、「マヨネーズを買ってください」ではなく、「野菜を食べましょう」というメッセージを発していました。美しい表現に込められた“売るためのアイデア”に共感し、広告業界をめざすことに。就職氷河期の中で30社以上もの入社試験を受けて、ようやく廣告社への入社が決まりました 。

営業の本質は
コミュニケーション。

初仕事は、飛び込み営業。担当者に会えない、会えても受注に至らないといった日々を送る中で山岸さんは、広告営業でもっとも大切なことはコミュニケーションだと気づきました。お客様のニーズを探り出す、アイデアを正しく理解してもらう……。山岸さん曰く、円滑なコミュニケーションは、実はどんな仕事にも当てはまるそうです。

慣れが
引き起こした
大きな失敗。

入社1年目、仕事に慣れてきたころの失敗談。先輩から引き継いだパンフレット作成の案件で、印刷ミスを起こしてしまいました。刷り直せば大赤字になるミスでしたが、お客様から許しが出たので、訂正シールを貼ることに。先輩たちの手も借りて数千枚のシールを貼りながら、山岸さんは自分の未熟さを痛感したとのことです 。

つなぐ仕掛けを
作るのが
広告マン。

「広告マンは、煩悩の塊であり、俗人」と山岸さんは言います。なぜなら広告の仕事は、商品と人をつなぐ仕掛け、すなわちモノとヒトとのコミュニケーションを成立させることだから。そのためには、人そのものをよく知らなければなりません。だから広告マンの素質がある人とは、「よく遊び、楽しむ人」だそうです 。

やはり広告は
考えることが
大切。

「広告の仕事でもっとも大切なのは、考えること」、と話してくれた山岸さん。形のある商品を持たない広告業界では、頭で考えて作り出したアイデアがすべてです。「広告業界に興味を持った人は、おもしろいことを色々と考えながら、学生生活を送ってほしい」と講義を締めくくりました。

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受講生の声(抜粋・要約)

山岸さんの話を聞いて心に残ったのは、「大切なことは、ニーズを探り出す、または作る」という言葉です。ニーズを理解することは、つまり相手を理解すること。これはどんなことにもあてはまる大切なことだと思った。(太田 丞観)

顧客のニーズを探り出すだけでなく、顧客自身が意識していない潜在的ニーズを表面化させる、要するにニーズを作り出していくことが必要という話は、かなり意外だった。(戸澤 伸晃)

広告マンは、商品・サービスと生活者・消費者をつなぐという話に、とても興味を持った。商品を宣伝したり、消費者に知らせたりする仕事は大切だと思った。(杉浦 武志)

企業はどの年代の人にどのようなニーズがあるのかなどをきっちりと考えて商品をつくっていることがわかった。それらを消費者にいかに伝えていくのかを考えるのが、広告会社の役割だと思う。(脇内 清華)

広告のアイデアは、どの商品でも通用するようなものではダメだという話があった。その商品だけに使えるような広告を作成するクリエイティブな仕事には、チームワークが必要なことがわかった。(鈴木 貴博)

人と接する仕事なので、相手に理解してもらうこと、信頼してもらうことが大事だと感じた。自分も人と付き合っていく中で、信頼してもらえるように、今回聞いた話を生かしていきたいと思った。(丸山 剛史)

社会に出て大切なのは、「仕事は自分で見つけること」だと思う。上司や先輩から与えられるだけでなく、自分で仕事を見つけていくことで、自身の成長にもつながっていくのだろう。(本間 敬典)

今日の講義を聞いて、広告会社の印象が変わった。広告の仕事は大変だけど一つの作品を協力して作り上げたときは、達成感があるようだ。僕も仕事に就くとしたら達成感のある仕事をやりたいと思う。(谷野 智紀)

広告の仕事はデザインだけと思っていたが、いろいろなことをやっていることがわかった。広告に向いているのは何かを作ったり、考えたりするのが好きな人だと思う。自分は作ることが好きなので、将来の進路として頭の隅に置いておきたい。(新川 幸宏)

何事もマイナスに考えると、やる気が失せてしまう。仕事が大変なのは当たり前だし、イメージと違うことも当然ある。逆にそれを楽しむぐらいの姿勢じゃないと働けないと思った。(伊藤 雅子)

山岸さんは、場慣れした様子で落ち着いていた。日ごろから人前で話すことに慣れている雰囲気があった。スライドは見やすく演出も上手だった。プレゼンテーション等も多数こなしているからだろう。すばらしい講演を聞けて良かった。(筒井 俊如)

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