第1講 「転機」を活かすために 2008年10月9日
講師 株式会社サトー 島田文昭さん

講師

株式会社サトー

島田文昭さん


Profile:本学2期生。茨城県水戸市出身。高校のとき、初代学長の「起業家マインドを備えた人材を育てる」との談話を新聞で読み共感、本学入学を決意する。2001年UCC上島珈琲株式会社に入社、業務用営業に従事し5年後に退社。家業(旅館業)手伝いを経て、2008年株式会社サトー入社。好きな言葉は「志無くば立たず」。

講義レポート

第1の転機
「就職活動」。

8年ぶりの母校で、島田さんはご自身の「転機」をテーマにお話くださいました。 最初の転機は、就職活動。「どうせやるなら、好きなことを仕事に」と決め、大好物だったコーヒーの会社・UCC上島珈琲を志望。就職氷河期の中、何とか入社にこぎ着けました。就職活動中は、好きなことを諦めてしまう同級生と激論を交わしたこともあったそうです。

第2の転機
「入院生活」。

次の転機は入社まもなく訪れました。研修期間中に頑張りすぎたのか、病に倒れてしまいます。試用期間中であれば解雇もあり得る事態でしたが、人事担当者の計らいで、給料をいただきながら3か月間の入院生活を送ることに。体力の限界を知ることの大切さを深く理解しました。

厳しく鍛えられた
UCC時代。

UCCでは、喫茶店・レストランに業務用コーヒーを販売する部門に配属されました。担当エリアは、喫茶店の激戦区である西濃地区。日々真剣に商売に取り組む喫茶店主から厳しく鍛えられました。だからこそ、お客様から仕事を通して感謝されることのすばらしさもわかりました。

第3の転機「退職」
そして「ニート」。

順風満帆に見えた5年目のある日、会社の都合で、所属部門ごと子会社へ転籍されることに。転籍先では自分のやりたいことができないと知り、熟慮の末に退職を決断します。これが第3の転機。実家で“ニート生活”を1年半続けた後、就職活動に立ち上がります。活動に必要な務経歴書を書いたことが、自己のキャリアを考える契機となりました。

第4の転機
「サトーに入社」。

知人の勧めで現在の会社・サトーに入社。これが第4の転機です。同社は、小型バーコードプリンターを主としたシステムで、製造・物流・販売・医療分野における品質向上や高効率化に貢献する企業。“食の安全”が話題になる中、島田さんは食品業界に向けたトレーサビリティ(履歴追跡)システムなどの提案営業に飛び回っています。

「好き」を極めると
転機は生きる。

サトーについては、社員思いの制度があり全員で経営をよくしようという社風を備えた「とてもいい会社」と語る島田さん。「学生時代は、好きなことを一生懸命やろう」などのアドバイスくださいました。好きなこと、やりたいことを持っている人は、人生の転機に際して流されることなく、納得のいく決断が下せるのです。

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島田さんの講義が
新聞に掲載されました。

受講生の声(抜粋・要約)

働く理由は、人それぞれだと思います。島田さんのように好きなことを仕事にするのも良いし、友人のように「仕事は仕事」と割り切って働くのもそれはそれで良いと思います。要は、自分が納得して働ける仕事に就くことが大切なんだと気づかされました。(伊藤 守)

就職に対して漠然と不安なイメージを持っていました。しかし、島田さんの講演を聴いて考えが変わりました。「やりたいこと」が見つかっていない私でも、「好きなこと」はある。「好きなこと」を仕事にしていれば、諦めずに続けられそうだと思いました。(白井 亜実)

私も一度社会人となったが退社し、大学に入ることを選んだ。やりたいことがあって入った会社ではなかった。今後ずっと就くことになる職なら、自分の好きなことをしたい。一度つまずいたからこそ見えてくることがあるとも思う。今回の話を聞いて改めてそう思った。(川上 英樹)

「転機は自然とわかる。そのとき悩め」という言葉も印象に残りました。今、私は就職を控えて、まさに「転機」なんだと思っています。今は大いに悩み、向かう方向が決まったら、悩まず、まっすぐ進みたいと思います。(本郷 拓也)

今後は、いろんなことにどんどん挑戦しようと思った。今は学生会に挑戦しているが、ラジオ放送(オシゴトーク)やチャレンジショップなど、創造大にはやりがいがありそうなことがいっぱいなので、挑戦していきたい。(岩田 翔飛郎)

「かけひきをしない」という言葉がありました。ベテランになってくればあるかもしれませんが、新人のうちは小細工をせず、真っ向から真剣に向き合うことが大切だということを、現場の方の声として聴くことで、改めて思いました。(青木 ユカ)

(転籍先に)行ったからには責任がある。「とりあえず行く」ではお互いが不幸になる。という言葉は、会社以外の場所でも通用すると思った。普段の生活でもそういう場面があると思うので、これからは「意志を持って選択」できるようにしていきたい。(亀田 勇介)

島田さんはUCCでスーパーバイザーになる目標を持っていたが、夢が叶う前に転籍を命じられた。自分なら命令に従うだろう。しかし島田さんは「とりあえず行く」では会社も自分も不幸になると考え、退社したのだ。夢や目標、そして強い意志がなければできないことだと感じた。(高須 健太)

会社の宣伝ではなく個人の考えを聞けたので、一般的な企業の講演とは違った一面が聞けて楽しかったです。働くということの大変さも改めて感じました。社会に出て自立して行くことは決して楽ではないけれど、目標を見失わず、それに向かっていくことが楽しみになりました。(増田 弦)

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