第6講 ラジオ制作者の時間。 2008年11月13日
講師 株式会社 三光 満田安則さん

講師

株式会社 三光

満田安則さん


Profile:1975年名古屋市生まれ。岐阜経済大学経済学部卒業。制作プロダクション、三光に入社。東海ラジオ放送専属ディレクター/プロデューサーとして、1週間に8本の番組を担当。極めて多忙な毎日を送る。

講師 東海ラジオ放送株式会社 早川佳樹さん

講師

東海ラジオ放送株式会社

早川佳樹さん


Profile:1971年岐阜市生まれ。国立音楽大学音楽学部声楽科卒業。声を生かせる職業としてアナウンサーを志し、東海ラジオ放送に入社。現在は営業担当だが、スポンサーの求めに応じCM出演することもある。

講義レポート

放送局でなくても、番組作りはできる。

講義は、ラジオ番組ディレクター「みっちゃん」こと満田さんをメイン講師とし、アナウンサー歴10年の早川さんによる司会で進行しました。 大学時代、コンサートスタッフのアルバイト経験があり、有名人と一緒に仕事がしたいと考えた満田さん。就職活動では全国の放送局を受けまくるものの、あえなく全敗。そんなとき、アルバイトを通じて知り合った三光の社員から「番組作りなら放送局でなくてもできる。ウチに来ないか」と誘われます。人との出会いが、道を開いたのです。

これがディレクターの「時間」。

現在の満田さんは、『山浦ひさし 全力疾走』(土15:00〜18:00)、『2COOL!』(月〜金18:15〜20:56)など東海ラジオの番組8本を担当。その毎日は実にハードです。 ある土曜日には、前夜から朝7時まで仕事をしたあと仮眠して10時に局入り、15時からの生放送の準備や出演者らとの打ち合わせ。放送中は進行管理やリスナーメッセージの整理に追われます。本番終了後も次週の宣伝収録などがあり、20時に解散。さらに別番組の準備を行い、25時(つまり翌1時)に局を出たあとは、レコード会社の人と打ち合わせを兼ねた食事。さらにクラブへ流れて朝まで……

誰かが笑ってくれる。泣いてくれる。

こんなにハードな仕事なのに長く続けられる理由は、「新しいものに出会う楽しさ」だと満田さんは語ります。音楽好きだけあって、ライブは最低でも週3回、路上ライブで新人を発掘することも。クラブに行っても半分は仕事(情報収集)です。また、さまざまな現場を取材し、多くの人と会って話すことも勉強になります。そしてもうひとつのやりがいが、リスナーの存在。自分の番組で誰かが笑ってくれた、涙を流してくれた――この事実が、ハードな毎日を支えるエネルギーになっています。

アナウンサーから営業職へ。

一方の早川さんは声楽科出身という変わり種です。アナウンサーを志望し、満田さんと同じく全国の放送局を受験。集団面接の会場でイタリア語の歌を披露したこともあるそうで、面接で目立つ秘訣をいろいろ伝授してくださいました。東海ラジオで希望通りにアナウンサーを努めたあと、営業職に転身。アナウンサー時代には気づかなかった、人との出会いやつきあいの大切さを痛感する毎日だとか。学生たちにも「出会いを大切にしてほしい」とメッセージを送り、講義を終えました。

※同番組の時間内に、川北准教授のゼミ生らによる学生参加番組『オシゴトーク』を放送中。
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受講生の声(抜粋・要約)

大変な仕事ではあるが、情報・音楽を発信する仕事はやりがいがあると思う。作る側に興味がわいた。ラジオにはあまり興味がなかったが聞いてみようと思った。みっちゃんさんのデスク……カオス(笑)(鈴木 真人)

放送業界は誰もが一度はあこがれる職種です。ただ芸能人に会いたいだとかテレビに出たいとか、そんな理由で将来を決められないだろうと思っていましたが、その気持ちが強ければなんとかなってしまうんだなと思いました。(木村 翔太)

私が昔、雑誌の仕事をしていたとき、編集者の人も常に新しい情報を求め、さまざまな所でさまざまな人物と食事をしていました。自分の好きな事をしていろんな体験ができるこの仕事が生きがいと言っていました。私もそんな仕事に興味があり、今回その気持ちを再認識できました。(桧野 啓右)

「人は誰でも失敗する。それをどうフォローするかが大事」という言葉に感心しました。人間である以上間違いを起こすけど、それをしっかりと反省できて、次に繋げられたらいいのかな、と思いました。(河合 翔平)

私服で仕事ができて髪型も気にしなくてよいのは、すごく惹かれました。芸能人と会えたり、ライブやクラブに行ったりと、とても楽しそうでいい仕事だとは思いましたが、仕事以外の時も仕事のことを考えたりと、好きでないとできない仕事だなと実感しました。(曽我 祟史)

大変なことは情報収集やセンス、閃きであるという。それらが、面白く中身のある番組を作るうえで必要なのだと。そして、遊びを活かす! くだらないことも真剣にやることが大切らしい。(小倉 巧夢)

ディレクターの仕事はとてもハードだけどやりがいのある仕事だということでした。体力とプロ意識が仕事の活力になるとのことでした。とても自分にはできない職業だと痛感しました。(松本 龍)

とにかくあきらめずに、毎日ハードな仕事でも頑張ることと、人脈、アイディア、体力の重要さを教えられました。(辻岡 慎)

ディレクターになるためには何か特別な資格が必要だと思っていたけど、質問してみて、特別な資格は必要ないことを知った。忙しいけれどもやりがいのある仕事だと思いました。(新田 隼也)

「とても」がたくさんつくほどハードなのにやれるのは、最後に言っていたこと「どんなに眠くても疲れていても全力をつくす」があるからなのだろうと感じました。(松浦 央)

早川さんの話で印象に残ったのは、就職の面接のときのアドバイスです。他人と同じでは採ってくれない、人とは違うフックをもとうということです。履歴書にけんだま1級と書き、けんだまを持ち歩いていたところが、早川さんの個性が出ていておもしろいなと思いました。(杉本 幾哉)

満田さんみたいに忙しくてもめげずに続けられる根性や、早川さんみたいに無茶な仕事を押しつけられてもやり通す意地、そういうものを見習って自分に生かしたいと思う。(彦坂 威尭)

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