第2講 キャリア形成に欠かせない「出会い」 2008年10月16日
講師 株式会社センチュリーアンドカンパニー 井澤友行さん

講師
高島屋グループの派遣会社

株式会社センチュリーアンドカンパニー

井澤友行さん


Profile:富山県出身。本学1期生。本学大学院で学びキャリアカウンセラーになる目標をもつ。その後、青果物卸販売会社、大手人材派遣会社を経て、現在は株式会社センチュリーアンドカンパニーに在籍。派遣スタッフへのキャリアカウンセリングをはじめ、農業を職業にしたい若者への支援、流通業界に向けた人材派遣営業などの業務を担当。

講義レポート

ここが
ロードス島だ!

大学進学の際、父親から「勉強はいいから、人間を見てこい」と言われ、新たな出会いに胸はずませて入学した井澤さん。入学式で学長が語った「ここがロードス島だ、ここで跳べ」という言葉を心に刻みます。それはイソップ寓話の一遍で、ある男が「ロードス島でなら、俺は誰よりも高く跳べる」と豪語するのを聞いた人が、男に投げ返したセリフ。今いる場所で努力できない者はどこへ行ってもできない、ここで努力することが大切だという教訓です。

キャリア
カウンセラー
になりたい

学長の言葉を聞き、「努力できることこそ才能なのだ」と自分を奮い立たせた矢先、ひとつの転機が訪れます。それは恩師・関本昌秀先生との出会いでした。先生の行動力や指導力に感動した井澤さん、関本ゼミに参加し、リーダーシップやモチベーションについて学びます。大学院でも関本先生の指導を受け、ついに自分が本当にやりたいことを発見。それは「若者の潜在能力を発揮させる仕事」つまりキャリアカウンセラーになることでした。

経営者意識に
目覚める

とはいえ、すぐにカウンセラーになれるわけもなく、最初に入った会社では青果物の仕入れ営業に従事します。苦しいこともありましたが「ロードス島精神」を発揮。稼ぐことの大変さを知ると同時に、経営者意識――働いた「時間」ではなく、働いて出した「実績」が重要――にも目覚めます。その後、大手人材派遣会社に入社しますが、社員を「歯車」と考える社風に違和感を持ち退社。青果卸販売会社に戻った後、センチュリーアンドカンパニーに入社します。

見えない7つの力

目標だったキャリアカウンセリングを含む、人材派遣業務に携わる井澤さん。講義の締めくくりに、キャリア形成にかかわる7つの力をご紹介くださいました。
■4つの自己努力――@悩みと思考(走りながら考え、行動する)A心の強さ(揺るぎない信念、無償の精神)B継続努力(諦めない、逃げない)C自己理解(素直に謙虚に振り返る)
■自己努力が生み出す3つの見えない力――@運・運命(引き寄せる準備と捉える努力)A縁(出会いと人脈)Bタイミング(動くべき時を見極めること)

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受講生の声(抜粋・要約)

現代を生きる若者の多くは「自分は悪くない。会社が悪いから成功しない」と、自分のせいにせず会社に責任を負わせる。自分の就職した企業で思ったとおりの仕事ができないからといって企業のせいにするのではなく、仕事を十分に行ってからそのセリフを言うべきだと思う。(上野 裕司)

出会いで運命は変わるということを教わった。それは人との出会いももちろんあるし、一冊の本でも運命は変わるということを聞いて、自分から動いてみないとどこにチャンスが落ちているかわからないと思った。(原田 勇輝)

井澤さんは先生に勧められた本を自分なりに理解したり、先生に相談して海外に行くなど、学生時代にいろいろと教えてくれたり信頼できる恩師がいたことは、とてもうらやましいと思いました。(佐野 泰史)

自分で考えるということ。どんな問題にも動じない強さと解決できる力。生きていく上でとても大切なことだ。人は仲間外れになりたくないという恐れや周りに流されてしまうこともある。しかし、自分の人生を自分で考え、自分で決められる。これこそがキャリアデザインなのだと思う。(山田 まゆみ)

まとめのお話(7つの力)の中で、悩むことの大切さを教えていただきました。悩むことはあまり良くないことのように思えるけど、自分を成長させるためには必要なことだと、熱心に話してくださいました。物事の原因や根本を考えることは、とても大切だと思いました。(寺田 直毅)

「転職には賭けのような要素があるのか」と質問をしてみたところ、「ある」と答えていただいた上で、次のように教えていただいた。転職する場合、自分から移るのではなく、相手の会社からスカウトされる方がよいということだった。このことからも「実績」の重要性が理解できる。(山田 章雄)

仕事というと、相手との駆け引きの世界もあると思っていたのに、駆け引きをしない、仕掛けない考え方があるというのにも驚いた。仕事を仕事と思わない、仕事と意識しないなんて考え方もあるんだなとも思った。(高柿 拓也)

今回の講義は、社会の厳しさを考えさせられるものでもあった。厳しい状況下での労働で心身ともに辛い状況に陥ると、会社を辞めたくなってしまう。だが、そういう時にこそ一生懸命に働くということである。道が開ける可能性も高まり、報われるときが来るかもしれない。(梅田 俊介)

今までの僕は、仕事に対して何の関心も持っていなかったのですが、今回の講義は、仕事のことについて真剣に取り組みたいと思うような内容でした。これから、自分がどのような仕事に向いているかなどを考えていきたいと思いました。(新川 裕也)

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