第5講 百貨店は、何を売っている? 2008年11月6日
講師 株式会社ジェイアール東海島屋 日 圭さん

講師

株式会社ジェイアール東海島屋

日 圭さん


Profile:名古屋市出身。神戸大学発達科学部で教育学を学び、教育業界を中心に就職活動を進めるうち、人事の仕事に興味をもつ。2000年3月、大学卒業より一足早く、ジェイアール名古屋タカシマヤのオープニングスタッフとして入社。婦人服担当、外商部、総合企画部を経て、現在は人材開発部に在籍。採用と研修に関わる業務を担当する。

講義レポート

たくさんの出会いがある職場。

クイズです。「名古屋駅にあるタカシマヤには、1日あたり何人のお客様が来るでしょうか?」考えてみてください。2千人? 5千人? 1万人? ――残念でした。正解はなんと、1日10万人。百貨店で働くということは、毎日毎日こんなに多くの人と出会うチャンスがあるということなのです。ワクワクする職場だと思いませんか? ――日さんの講義は、こうした出題や問いかけを挟みつつ、映像や音楽も交えて楽しく進められました。

オバケも
売っちゃう?
…企画の仕事。

「学生よりも社会人の方が、圧倒的に楽しい。仕事って結構おもしろいです」と語る日さん。タカシマヤにあるさまざまな仕事のなかで、今回は“企画”と“販売”についてご紹介くださいました。 入社3年目の若手社員Aさんはある日、お客様を惹きつける催事の企画を命じられます。実施は8月。ならば、夏休みの子どもたちの心に残るものを、と考えたAさんは、“幽霊屋敷”を思いつきます。どうせやるなら本物を!との思いで、大映太秦映画村に1人乗り込んで交渉し、プロの役者さんの出演をはじめとする全面協力を取り付けてしまいます。言うまでもなく、幽霊屋敷は連日大盛況でした。これが、企画という仕事。なるほど、社会人って楽しそうです。

モノよりコトを!
…販売の仕事。

日さんによれば、販売のプロとは“モノよりもコトを提案できる人”のこと。たとえば、あこがれていた女性と初デートの約束を取り付けた男性がプレゼントを買いに来店した場合、「指輪はいかがですか」とお勧めするだけなら、プロではありません。2人にふさわしいラッピングやメッセージカードの提案、ときにはレストランの紹介まで含め、“デートを成功させ、幸せになってもらう”という“コト”が提案できてこそ、販売のプロと言えるのです。

仕事を生き生きと楽しみ、
豊かな人生を。

「就職活動における“成功”とは?」人事の専門家、日さんから最後の質問です。答えは、希望の会社に入社することではなく、会社で生き生きと活躍して、キャリアを積み、豊かな人生を送ること。どこに入るか、よりも、入った会社でいかにやりたいことをやるか、です。そのためには仕事を通して自分を成長させることが大切。成長し、自分に“やれること”が増えると、“やりたいこと”もまた増えていきます。そのくり返しが、キャリアになっていくのです。

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受講生の声(抜粋・要約)

ビデオを見せていただきましたが、従業員の方々がいきいきとした笑顔で仕事をしており、お客様が快く買い物できる環境作りをめざしていることが伝わってきました。若いうちから企画を任せられたり、規模が大きいからいろんな仕事ができると聞き、このような会社で働きたいと思いました。(中野 糸央里)

日さんは、タカシマヤでのやりがいを話してくれた。若くして任される、いろいろな仕事ができる、規模が大きくて注目されている、人が優しい。このやりがいを聞いて、私はすごく興味をもった。(浅野 貴亮)

1日に10万人もの人が訪れるなんて想像もつかない。そんな人数に丁寧に接客していたらすぐにプロになるだろうと思うけれど、3年たってもまだ若手社員なんて厳しい世界なのだと感じた。(神谷 政斗)

タカシマヤでの販売・接客の方法、モノではなくコトを提案することの重要性を知ることができました。 働くことの目的や意義、楽しさなどがよくわかりました。やりがいを見つけることが仕事をしていく上でも大切なことだと思いました。(白井 雅也)

困っているお客さんの側に立って、プレゼントをどうしたらいいかを考え、プランを立てアドバイスするという考え方に、接客業の魅力を感じました。(牧野 竜也)

販売する人は、お客に合っているものをすすめるだけだと考えていた。しかしタカシマヤの販売・接客は、「モノ」ではなく「コト」を提案することであった。お客の立場で提案し、買ってもらうことが目的ではない、というものであった。これはお客にとってはとてもうれしいことだ。(小林 王崇)

就職活動における「成功」とは、希望の会社に入社することではない。会社で生き生きと活躍をして、キャリアを積み上げ豊かな人生を送ることにある。そのためには自分を知り、企業を知り、そして、伝えること。そんなことを教えていただいた。(小柳津 慶美)

日さんは「自分はいま何をすることが好きなのか?を、学生時代に見つけるとよい」とおっしゃっていたので、自分も何かを見つけ、それに関してのプロフェッショナルをめざすのがいいのかという気がしました。(丸山 剛史)

自分の価値を見つけるなど自分を理解すると同時に、自分の希望する企業のことを理解できるようにし、今回の講話で得た「もの」を、この先のキャリア形成に役立てたいと思います。貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。(榎川 絢介)

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