第6講 人事(採用担当)の仕事
講師 株式会社日立製作所 菊地洋崇さん

講師

株式会社 日立製作所

菊地洋崇 さん


Profile:1975年東京生まれ。立教大学法学部を経て1998年日立製作所に入社。情報・通信グループの人事総務本部にて、新卒採用・経験者採用の業務に携わる。採用市場が“売り手市場”となっている今、採用業務にあたっては何よりもスピードを重視しているとのこと。

講義レポート

面接だけが
採用の仕事
じゃない。

菊地さんの講義は、日立製作所の理念・歴史・事業内容の紹介からスタートしました。家電製品の印象が強い日立ですが、実は情報・通信システム、電力システム、鉄道システムといった“社会インフラづくり”が本業なのだそうです。このように、自社を PRして知名度や好感度を高めることも、採用担当者の大切な仕事です。

色々な職種の
人々が働く会社。

続いて、会社の中にある職種が紹介されました。研究開発・設計・製造・営業といった製品やシステムに直接関わる職種と、人事総務・経理財務・法務・調達・広報のように間接的に関わるスタッフがいることがわかりました。菊地さんの場合は間接部門である人事総務の専門家ということになります。

畑ちがいの
経理部門で
実習を。

菊地さんの新入社員時代のお話。希望どおりに人事部門に配属されたものの、入社後間もなく、経理部門での実習を命じられます。ここでは1年半にわたって赤字プロジェクトの改善提案などの仕事に取り組みました。はじめは乗り気でなかった経理の仕事でしたが、業務の流れが理解でき、社内人脈もできて、視野が広がったそうです。

学生時代に
力を入れた
ことは?

「学生時代にしかできないことを見つけて打ち込むことが大切」と説く菊地さん。ご自身は、高校・大学時代を通じて、車いす体験乗車イベントを全国各地で行い、3000人もの方々に体験をしてもらったそうです。さらに、活動記録の本を自費出版したり、新聞社にPRをお願いしたり。幅広い世代の人々との交流が、考え方の幅を広げてくれたそうです。

採用のプロの
面接を教室で
体験!

最後に学生(3年生)をモデルに、模擬面接を実施してくれました。「学生時代に一番力を入れたことは何?」「そこで大変だったこと、苦労したことは?」「工夫したことは?」「得られた成果は?」と掘り下げていく菊地さん。こうした質問にしっかり答えるには、やはり打ち込めるものを見つけて充実した大学生活を送らなくては、と多くの学生が感じたようでした。

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受講生の声(抜粋・要約)

社会を下から支える仕事という感じがして、インフラ関係の事業にとても興味がわきました。後半は菊地さんの人事部での経験に基づくアドバイスは、今後の自分のための参考になり、ありがたかったです。(加藤 誠)

日立は、売上ではなく、日本の「隆々たる国運」を頭に置いていることがすごいと思った。それなのに業界での売上は世界5位。自分たちのためでなく、国を思ってやっている結果だと思う。(岡田 健一)

印象に残った言葉。「考えの違う人と交流しよう」―今自分は特定の人としかしゃべらないのでもっといろいろな人と交流したいと思う。そうすることで新しい発見があったり、物事の違った見方ができると思うから。(齊藤 龍也)

学生時代の菊地さんは、年齢層の違う人とのふれあいによって価値観や考え方が広がり、交渉の仕方も学んだと話してくれました。「学生時代に苦労をともにした友だちは一生の財産」とも言っていました。とてもいい言葉だと思いました。(有賀 紀彦)

行動力はとても大切で、時には大胆に行動しないと何も始まらないということも教えてもらいました。自由な時間が多い大学生だからできることを、自分もできたらいいなと思いました(横山 大介)

学生時代に「車いすと科学〜体験乗車の方法〜」という本も出され、素直にすごいなと思った。このような活動が自分にもできたらいいとは思うが、無理かなぁとも思う。(彦坂 威尭)

大学生のうちにしかできないこともたくさんある。苦労したことや達成したことが将来役に立つ。資格を取得することもそうだ。そして、大学時代の友だちは一生の友だちだ。友だちを大切にすることも必要だ(新川 幸広)

実際に 3年生の方が菊地さんと模擬面接をしていました。大勢の前で面接するなんて自分には絶対にできないと思いました。今から面接の時に備えて、何か打ち込めるものを探したいと思います。(土屋 龍一)

今の大学生で、自分の体験を人前で堂々と話せる人がどれぐらいいるのかな。そう考えると菊地さんの学生時代はすごく素敵なことだと思いました。私も卒業するときには、みんなに自慢できるぐらいのことをやりたいと思えました。(藤原 和哉)

講演の後、時間のない中で模擬面接をしていただいた。質問に詰まってしまった私は、「経験はいいんだけど、自己分析がまだできていないね」とアドバイスをしてくれた。きちんと自己分析し、経験から学んだことを自信を持って話せるようにならなければ、と実感した。(脇内 清華)

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