Vol.1 訪日外国人旅行者を誘致するビジネスについて(インバウンドビジネス)

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 「旅行・観光競争力レポート2015(Travel and Tourism Competitiveness Report)」(世界経済フォーラム:2015年5月6日発表)によれば、世界141か国の観光競争力は、日本は9位の過去最高で、安全やおもてなしの項目は高得点であった。この国際観光競争力によって外国人旅行者を自国へ誘致するビジネスを展開する旅行・ホテル業界では、日本へ来る観光客のことをインバウンドといっている。2014年1月から12月の間に日本を訪れたインバウンド人数は、前年比29.4%増の1341万4000人であった(日本政府観光局(JNTO))。今後ますます増えると考えられる。

 こうした状況下において価値(価値とは、買い手が会社の提供するものに進んで払ってくれる金額)をより多く生み出すには、価値を生み出すプロセスである「顧客の誘致 ⇒ 顧客の受け入れ・おもてなし(観光・文化体験 → 食事 → 買い物 → 輸送 → 宿泊) ⇒ 持続的顧客獲得」という連鎖のネック(隘路あいろ)となるものを取り除くことである。特にネックとなるものの1つは、インバウンド人数に対しての宿泊数が少ないこと、2つめは、インバウンドを輸送する手段(たとえば観光バス)の確保が困難なことである。

 このようなネックとなるものを解決することがビジネスになるのである。経営学は、このような現象を様々な角度から理解を深め,実践に対応できる知識体系を身につけるのに大いに役立つものとなる。