Vol.6 会社ってなんなの?

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会社ってなにをしているの?(会社はなにをする存在なのか:WHAT〉

 「会社は、社会に財やサービスを提供」していることに存在価値があるのです。
 では、それらを提供するために会社はなにをしているのでしょうか?誰でも簡単に手に入れることができる財やサービスを提供するだけなら、会社はなくてもいいですね。手に入れるまでに何らかの困難さがあるから、その部分を会社が行うから会社の存在する意味があるのです。たとえばコンビ二では、品切れのないようにどの商品をどの会社から買い付けて、お店にタイミングよく輸配送してもらうのか、お店にどのように陳列するのかなど、商品をお客に提供するまでのプロセスにはさまざまな技術が必要です。こうした意味で会社は、難しい言葉でいえば、『技術を変換(スループット)する経済体(製造業でなくても)』なのです。会社という経済体はこうした「技術によって変換」をしたものを「市場」において交換して、「付加価値」というのを生み出します。付加価値とは、会社が技術を変換して社会から受け取る報酬です。もう少し平たく言うと

     付加価値=(会社の売上収入)―(会社の外部に支払った費用)

また、利益は

    (付加価値)―(会社の構成要素である人に支払う賃金)=利益

経済体としての会社は、「技術の変換」という業務を行い、それによって「付加価値」という成果を生み出す存在なのです。

〈会社って、なぜ社会に存在しているの?(会社の存在理由:WHY)〉

 ある会社は何拾年も商売をしつづけるが、別の会社はすぐに消えてしまう、なぜなのだろうか?
 この設問は①社会はなぜその会社の存在を認めているのか?②会社はなぜ社会に存在したいのか?という設問に置き換えることができます。

①社会はなぜその会社の存在を認めているのか?

 社会がそして市場が「会社の提供している財やサービス」を必要とするから、会社は存在できるのです。つまり社会が欲する・必要とする財やサービスが提供できなければ会社は存在できないのです。しかし、大麻のように需要があっても法律に触れるようなものの提供はできません。また、会社間の競争環境の中で存在ができるには「技術の変換」が他の会社より効率的に行えなければいずれ消えてしまうでしょう。このような財やサービスが社会・市場に提供できるかどうかは『売上げ』という指標で判断できます。

②会社はなぜ社会に存在したいのか?

 会社として存在を続けたいという理由の根源は、平たくいえば“利益の追求”ということです。利益によって新しい商品を開発したり、従業員の賃金を高くしたり、会社としてやりたいことの可能性が広がります。このような意味で、利益は会社が経済体として生存、存続、そして成長するためのベースとなるものです。しかし、財やサービスの社会への提供が社会貢献になり、利益は社会から与えられていると考えている会社もあります。会社をこのようなものと考えれば、その会社は社会に貢献、奉仕する存在という側面がでてきます。これからの会社はこのような存在になることが予測されます。また、“いい車をつくりたい”という目的のために、ホンダという会社を作った本田宗一郎がそうであったように、会社としてやりたいことがあって、その実現のために会社を設立・運営することもあるでしょう。

会社は社会に受け入れられなければ存在できません。目的をもって社会貢献をする存在が、これからの会社です。その目的を実現するための存続の原資として利益の獲得が必要とされるのです。