人間が作る集団は、多くのタイプが存在する。たとえば、群衆(ある共通の理由によりある時刻、ある場所に集まっている人々。その人々の間には集団意識はない)、公衆(お互いに認識している共通の理由により、ある時刻、ある場所に集まっている人々。相互にルールを守ることを期待されているが、集団意識はない)や機能集団(ある機能を果たすことを目的とする集団。集団構成員の間には集団意識がある)。
この機能集団には、家族や仲良しクラブなどに代表される「自己目的集団」と企業、政党や軍隊などに代表される「目的集団」の2つがある。目的集団は、何らかのその集団の目的を果たすために存在し参加する人々の意思によって継続的に運営される。集団の目的は、その集団が存立するための理由そのものとなる。集団の構成員は、その集団に自分の意思を持って参加するとともに、明確に認識しているかどうかは別にして集団の目的を共有することを求められる。さらにその目的に反する行動をとる場合には多くはその集団にとどまることは、許されない。一方、個人は自分としての目的を持っていることは、ごく普通のことである。個人の目的と集団の目的が異なることは別に問題とならない。個人が自分の目的を持っていることは、当然でありまた自然である。個人が目的を持つことは集団の活性化にはプラスとなることが多い。目的集団では、目的合理性(目的に対してそれを達成する手段が適切であるということ:マックス・ウェーバー)が最も尊重される。この集団の健全度は、目的合理性の運営がどの程度行われているかによって判断される。この目的集団は、合理的にそして効率的に運営を行うために工夫がなされた様々な仕組み(システム)を持つ。具体的には、職務基準、職位体系、運営ルール、コミュニケーションルートなどである。経営学の分野では、これらの仕組みの代表的な例を挙げて、その本質的な意味するところを学ぶことになる。