2012年度(平成24年度)卒業研究概要
電力消費シミュレーションに基づく節電効果を高めるためのPCスリープ時間に関する検討
2011年3月に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の停止・電力不足をきっかけに,全国的に節電意識が高まっています.豊橋創造大学においても,各教室の適切な冷暖房設定をはじめとする様々な節電活動に取り組んでいますが,これまで大学内のPCに関する本格的な節電の検討は行われていませんでした.
本研究では,学内にある約270台の共用PCについて効果的な節電方法の検討を行うことを目的としました.節電のための具体的の方法として,PCにスリープ設定を行った場合に未使用時(アイドル時)の無駄な消費電力をいかに削減することができるか,実際の学内のPC利用状況(ログ)に基づいた電力消費シミュレーションを行い求めました.また,スリープ時間設定が学生の利便性(PC利用)に与える影響についても考察しました.
キーワード:
節電 ¦ 消費電力計測 ¦ スリープ ¦ シミュレーション ¦ PC利用ログ ¦ データベース(MySQL) ¦ プログラミング(Excel VBA)
PC利用ログに基づくPC稼働状況の可視化
情報漏洩事故が発生し続けている今日,漏洩リスクの調査と対策立案のためには,まずPCがどのように使われているかを把握することが安全なPC環境実現への第一歩となります.しかし,そのためにはPCログを情報として捉えられる専門知識やWeb管理ソリューション等の専用ソフトが必要になるため,敷居が高いのが現状です.本学でも,PC利用ログを記録していますが,テキストベースのデータであり,十分に活用できていない状況にありました.
本研究では,Webブラウザを通じてPC利用状況を把握することができる「PC利用状況可視化システム」の構築を行いました.サーバ(データベース)側にPC利用ログを加工して格納し,PHPおよびJavaScriptを用いてその情報をグラフィカルに表示できるようにしました.
本システムを発展させることで,教室ごとやPCごとの消費電力の推移(グラフ化)を見積もることが可能となり,電力ピーク時間の推定・ピークシフト対策など,PC管理者や経営者のコスト削減や管理に貢献できるものと考えられます.
キーワード:
可視化 ¦ PC利用ログ ¦ データベース(MySQL) ¦ Web プログラミング(PHP,JavaScript)